発症または、手術後から2ヵ月以内の脳血管疾患・大腿骨頚部骨折等の患者様に対して、リハビリテーションを集中して行う専門病棟です。リハビリテーションは365日、1日最大3時間提供しています。医師・看護師・看護補助・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医療ソーシャルワーカー等の専門スタッフが情報を共有し、安心して退院できるようお手伝いします。病棟での日常生活動作が早期に向上するよう、リハビリテーション室での個別訓練にとどまらず、病棟での訓練も重視しています。
対象疾患
脳血管疾患が7割、他3割は整形外科疾患や廃用症候群となっています。
整形外科疾患は一般病棟からの転棟や他病院からの転院が多く、主に股関節や膝関節術後の患者様が多くなっています。他にも、大腿骨頸部骨折や脊椎圧迫骨折、脊髄損傷等の患者様も入院しています。廃用症候群は、肺炎・心不全後など様々です。呼吸器・循環器・内部障害の患者様は少数ですが高齢者は様々な疾患を合併しているため、ある程度幅広い知識も必要です。
スタッフの1日の流れ(一例)
8:30~ | 朝礼 | |
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8:40~ | リハビリテーション介入 |
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10:00~ | 家屋調査 | 自宅への退院が目標の患者様に対して必要に応じて試験的に外出・外泊してもらい、実際の家屋状態でどの程度自立した生活が可能であるかを確認します。セラピストも一緒にご自宅へ伺い、手すりの有無・段差・ADL面の状態を確認します。ケアマージャーや改修業者にも同席を依頼し、必要な住宅改修や福祉用具を提案します。このとき問題となった動作は、入院中にアプローチしていきます。 |
12:00~ | 昼休み | |
13:30~ | リハビリテーション介入 | 入院時の評価から各担当スタッフが評価した患者様の状態と目標を話し合い、チーム内で統一した方針を決定します。カンファレンスは1ヶ月ごとに実施します。 |
15:30~ | 家族指導 | 退院後に安心した生活を始めて頂けるようご家族に介助指導などを行います。 |
16:00~ | カンファレンス | |
16:30~ | カルテ記入・書類作成 | |
18:00 | 業務終了 |
新人教育体制
新人セラピストは初めは副担当として介入し、先輩のセラピストと一緒に1人の患者様をみていき、徐々にスキルアップを図ります。業務上は7月頃に独り立ちを目標としますが、回復期の患者様はハイリスクの方が多いため、個人指導や上司との共同治療を行うなど教育指導はその後も継続して行っていきます。また月に数回、勉強会を開催しています。研修の伝達講習や症例検討だけでなく、先輩のセラピストが新人向けに勉強会を開催し、スキルアップを行っていく事ができます。
リハビリテーション環境
リハビリテーションは第一リハビリテーション室、回復期病棟のリハビリスペース、ベッドサイド等で行います。第二リハビリテーション室にはプラットホーム14台、セパレート4台、トリートメントテーブル4台、作業テーブル2台、レッドコード2台、物理療法機器、和室、入浴キット、階段昇降キットなどがあり、リハビリテーション機器も充実しています。
スタッフ紹介
先輩からのコメント
回復期リハビリテーション病棟では、中枢神経疾患や運動器疾患の発症後や手術後2ヶ月以内の入院患者様のリハビリテーションを365日、1日最大3時間行っています。
入院期限の短縮を要求されてしまっている法制度の中で、我々セラピストは限られた時間内で患者様一人ひとりの個別性を評価し、回復のための潜在性を最大限に引き出さなければなりません。そのためには、常に知識と技術を新しくするべく自己研鑚に努めるのは当然であり、患者様と共有している目標を何としても達成するという熱い情熱も必要になります。一場面ではありますが、患者様とそのご家族の人生に携わる責任の重さが常に付きまとうのが回復期リハビリテーション病棟だと考えています。
みなさん、臨床は難しいです。しかし難しいから楽しいのだと思います。上記のような姿勢に共感できる方、ぜひ病院見学にいらしてください。
回復期病棟リハビリテーション病棟主任 理学療法士