医者の視点からお勧めする医者の選び方

 ホームページ内に、当院における股関節治療について述べさせていただきましたが、手術を受けるか否か、どの先生の手術を受けるかは患者様が決めるべきことになります。患者様にとっては、情報が少なく(少なくとも医者に偏差値はついておりませんので)、どの先生の手術を受けるのがベストなのか、迷うことも多いのではないでしょうか。

 そこで、治療を行うに当たり、私がお勧めする医者の選び方を列記します。これはあくまでも私見です。

1 症例数をこなしていること

 これは安定した手術成績を残すためには最低限必要なことです。年間20例以下の医者に上手な手術は期待できないと言っても過言ではありません。

2 自分の質問に答え、時には自分の話を否定してくれること

 患者さんの話をしっかり聞いてくれるか否かは、体を預ける身としては最低限要求されなければなりません。話をろくに聞かないような医者は論外です。しかし、患者さんの話を全て肯定するような医者にもポリシーを持った医者は存在しません。たまには自分の耳に痛いようなことも言ってくれる医者の方が信頼できるでしょう。

3 医者の言うことを「人として」信頼できそうであること

 患者さんと医者とは、当然人と人との関係ですから、お互いに最低限の礼儀があり、またお互いに意思疎通ができなければなりません。一般的に人として苦手な相手とは友人としてうまく付き合えないのと同様、医者に対しても人として関係を築けるかを判断することが大切です。

4 万が一うまくいかなくても仕方ないと思えるか

 当然自分の手術の結果が上手くいかなかったら、不満に思うものです。場合によっては執刀医を恨みたくもなるでしょう。しかし、治療に絶対はありませんので、失敗やミスがなくとも万が一感染のようなトラブルが生じた場合、思うような結果にはなりません。そのようなトラブルの際に「この先生がミスをしたのではないか?」「この先生は何かを隠しているのではないか?」と思ってしまうようなら、その後の治療もうまくいきません。前述しましたが「人として」信頼できる医者なのかを見極めることが必要です。