膝のスポーツ障害

前十字靭帯断裂

手術 リハビリ

概説

膝前十字靱帯とは大腿骨(ふともも)と脛骨(すね)をつなぐ靱帯です。スポーツ等による急な方向転換や着地の際に膝をひねったり、相手との衝突などにより靱帯が耐え切れないほどの強い力が加わることで生じる靱帯断裂です。

症状

ケガをした瞬間は“ブチッ”や“ゴリッ”などの断裂音とともに関節がはずれるような衝撃があり、立ち上がることすら困難なケースが多いです。また、短時間のうちに関節の中に血が貯まり、膝全体の腫れが強くなると曲げ伸ばしもしづらくなります。2~3週間ほどで痛みが落ち着くことがほとんどですが、問題は関節のゆるみが残ってしまうことです。

膝が痛くて立ち上がれない、曲げ伸ばしが辛い

治療

当院では積極的に手術による治療(靱帯再建術)と競技復帰にむけたリハビリを行っています。
術式については、競技の種目や受傷回数、時期により異なるため、担当医にご相談ください。

Q&A

Q1 膝前十字靭帯損傷はどのようにして診断しますか?

ケガをした状況の詳しい聞き取りをし、膝の状態を触診で確認します。主に前後とねじれの動きに不安定感や不安感がないか、左右の差を比べて評価します。ケガをしてまもなくは筋肉の緊張が強く力が抜けない場合は無理に触診をせず、画像検査に移ります。レントゲン検査では靱帯損傷を見つけることは難しいですが、骨折の合併の有無を確認し、続いてMRI検査で前十字靱帯の状態やその他の靱帯(複合靱帯損傷)、半月板、軟骨(合併損傷)の状態を確認して診断します。


Q2 再建術の入院期間はどれくらいですか?

概ね8泊9日(手術前日入院、術後7日目の退院)です。
リハビリの進み具合や、日程の都合で術後4~6日目の退院が可能なケースもあります。担当医にご相談ください。


Q3 通院期間はどれくらいですか?

概ね術後6~12ヶ月間です。リハビリの進み具合は個人差があり、また合併損傷の有無や復帰する競技特性により治療期間が異なります。


Q4 膝前十字靭帯損傷は放っておくとどうなりますか?

小走りなどの直線的な動作や日常生活に支障がないことも多いですが、膝のゆるみが残ることで関節内のクッション材である軟骨や半月板の摩耗が加速し、加齢現象(変形性膝関節症)が進むことが予想されます。


Q5 前十字靭帯再建術後の痛みが強いと聞きますが、がまんできるくらいなのでしょうか。

当院での手術は全身麻酔に加え、複数の鎮痛薬を調合した“カクテル”注射、神経ブロックを併用することで、術後の痛みの軽減を図っています。