母指CM関節症
概説
親指の付け根のCM関節（中手骨 大菱形骨）の表面の軟骨が痛んで、関節が変形する病気です。
手に力を入れたりすると親指の付け根に痛みが生じます。
症状
- ・瓶のふたを開けようとして、手に力を入れた際に痛む
- ・物を握ったりした際に痛みが走る
治療
まずは母指を固定する装具を処方します。
装具で除痛が取り切れなかったり、仕事の事情などで装具ができない場合は超音波で関節を確認しながら関節内注射を行います。
それでも症状が残る場合は関節鏡を用いた関節滑膜切除術 関節形成術 関節固定術などの手術を患者さんの職業や生活習慣を考慮しながら行います。
TFCC損傷 尺骨突き上げ症候群 尺側手根伸筋腱鞘炎
概説
手首を捻ったり、力を入れたりした際に、手首の小指側に痛みが生じる病気です。
症状
- ・車の運転でハンドルを回したときに痛む
- ・ドアノブを回したときに痛む
- ・物を持ち上げた時に痛む
治療
まずはどこに、どういう時に痛みが生じるかなどの所見をとり、それに応じた治療を行います。
手関節固定の装具を作成したり、超音波を用いて関節内もしくは腱鞘内注射を行います。
それでも痛みが残る場合は尺骨短縮骨切り術 関節鏡を用いた滑膜切除など病態に合わせて手術を行います。
手根管症候群
概説
手首の部分で、正中神経と言われる神経が圧迫され、指のしびれ、痛み（母指～中指にかけて）が生じ、症状が進行すると、母指球（手の付け根の筋肉）が痩せて、手の細かい動きがやりにくくなる病気です。
症状
- ・母指～中指のしびれや痛み。特に朝方に症状が悪化します。
- ・箸が使いにくい
- ・物をつまみにくくなった
治療
症状がひどくない場合は、安静装具や内服、超音波を用いた注射などの保存治療で経過を見ます。
筋力低下があり、症状の進んだ状態の場合には日帰りによる手根管開放術を行います。
また、重症例で、手の動きがかなり低下している例では腱移行という機能再建術を行うこともあります。
ばね指（狭搾性腱鞘炎）
概説
指の付け根に痛みが生じ、指を動かした際にばねの様にひっかかる病気です。
症状
- ・指の付け根や指の第2関節（PIP関節）に痛み
- ・指を動かすとかくっとなり、症状が進行すると指が曲がり切らなかったり、伸び切らなかったりする
治療
ごく初期の症状の場合は外用剤で様子をみることもありますが、超音波で確認しながら、腱鞘内にステロイド注射を行います。症状が再発する場合は再度注射を行いますが、2回注射を行っても再発する場合には腱鞘切開手術を日帰りで行います。
